マンション査定など多方面で活躍
「アメリカで百科事典をCに入れて売り出した。
百科事典一冊分が丸ごと入ってしまうわけで、これを五百ドルで販売した。
そしたらシンガポールで、翌月七・五ドルで売り出したのですよ。
もちろんコピーですが、こんなことをやられたら、膨大なカネと時間歩』費やして開発した側はたまったものじゃない」閉じ憤りをIBM関係者からも聞かされた。
IBMが大型コンピュータ用の基本ソトを開発するためには千人の大スタッと十年の期間と約一手億円の金が必要なのに、それをコピーするのは四千五百万円の機械で一人が一日でできる。
こんなことを許しておいたのではとても企業が成り立たない。
だから企業防衛のために知的所有権の網を厳重にかけるのだというわけだ。
ところでI知的所有権戦争は着々と成果を挙げ、和解した日本企業六社(その後、日立も和解して七社に)から九0年までに総額約一億三千四百万ドルの固定ロイヤリティを受け取り、アメリカ圏内での販売量に応じて数量ロイヤリティを受け取ることになったようだ。
モノ戦争からマネー−戦争、モノ、カネ、情報、サービスなどに丸ごと網をかけて封じ込めを図るインテリジェンス・ウォ−ズの時代。
だがグインテリジェンス・ウォ−ズが内包しているなどの権謀術数がエスカレートすると、技術や産業の張奥ではなく、逆に技術や産業の足を引っぱり合い、あるいは新しい研究開発の芽を潰し、世界を閉塞状況ド追い込むことになる。
技術・情報封鎖によって世界の宗主国としての基盤強化を図ったはずのアメリカ圏内でさえ、むしろ知的所有権の過保護手法の多用による弊害の方が大きくなりつつあるのだ。
インテリジェンス・ウオーズ。
による混乱・閉塞を回避するために、日本はこれまでのように逃げと弁解と妥協に努めるのではなく、積極的に知的所有権の新しいル−ル確立を日指すべきである。
一九九0年三月末のワシントンは、訪れる人間を調弄するような気紛れ天気で、気温が三十度を突破し、ポトマック河畔の桜があっという聞に葉桜になったかと思うと、その葉桜に雪が舞った。
そのワシントンの国務省に近いホテルで、上下院議員やそのスタッ、有力なシンクタンクの研究者たちにアポイントメントをとりながら、東京で、アメリカ通の、とくに議会筋に太いパイプを持っている新聞記者が、「日米は、抜き差しならないコリジョン・コ−ス(衝突進路)に突入した」と、力説したのを思い出していた。
「現在の日米関係は、日準摩擦、経済摩擦なのでものではない。
ぜんぜん違う。
マスコミも政治家たちも徹底的に誤解している。
経済トラブルではなく、いわば四十年振りの日米聞の戦略調整なのだ」円が揺さぶる日米安保は、「もしも、米ソ対立、東西冷戦がなければ、現在の日本はあり得なかった」のだと強調した。
「当初、占領軍は、財閥解体、銀行解体、それから官僚機構の解体会徹底的におこない、つまり日本安徹底的に弱体化しようとした。
米ソ対立が激化した一九四八、九年から、対日政策が一転して、日本をアジアの反共防波堤にするために、その工業力まで復活させ、積極的に育てようとした。
事実上、財閥グループの復活を認め、独禁法も緩やかにした。
産業の保護規制を強めるのも獄越路した。
だからこそ、経済大国になり得たのですが、いま四十年ぶりにその基盤、日本の存在理由である米ソ対立という枠組みが崩壊しつつある」グ対ソ戦略のために、占領政策を転換させて以来の再転換、戦略調整。
彼は「従来の経済摩擦と本質的に違う証拠に、ソ連ならぬ日本を標的にした。
赤狩りジャパン・パッシングまがいの風が吹きはじめている」とまで言い切ったが、たしかに「日本叩き」が昨年の秋から親日派の学者、ジャーナリスト、あるいは研究所叩きへ向い、エスカレートしはじめていた。
九0年一月、米国の有力オピニオン誌『ニュ−・リパブリック』は、ジョン・ジュディスの「ザ・ジャパニ−ズ・メガホン」というレポートを掲載して大きな反響を呼び、日本国内でも関係者たちの間で話題になった。
ニュ−・マッカ−シズム表に大きな日の丸を出し、白抜きにした派手な売り方で、レポートは日本の政府と企業が、アメリカの大学や研究所などに、いかに巨額の金をばらまいて、アメリカの世論や政策を日本に有利になるように操作しているかを、実名金額を書いて告発しているのだ。
世論や政策を買うために金を出している会社として、トヨタ、ソニ−、野村證券、EC、東芝、笹川良一の船舶振興会の名も出てくるが、このレポートが力点を置いて告発しているのは、日本から金をもらって世論誘導をしているアメリカの太学や研究所著名な学者や元政府高官たちだ。
有名なプルッキングス研究所、キッシンジャーやプレジンスキーなどが所属している国際戦略研究所(CSS)、ジョンズ・ホプキンズ大学・高等国際問題研究大学院(SS)、経済開発委員会などが槍玉にあげられ、もとUSRのウィリアム・エパリ−、ウィリアム・プロック、ロパ−ト・シュトラウス、元ニクソン大統領補佐官のレナード・ガーメント、スタント・アンダーソン、カータ−政権の首席政務菌内)担当官のスチュワ−ト、アイゼンスタット、レーがンブッシュ大統領の元選挙参謀、ジェ−ムズ・レイクなどがズラリと並んでいる。
パット・チョ−トは、日本関連の公聴会にはきまって証人として登場する。
対日批判有名人。
だそうで、彼の証言によると、「日本の政府機関や企業、財団は、一九八八年には一億五千万ドル、八九年には二億五千万ドル多量やして、アメリカ人の心と魂。
を買おうとしている」のだという。
しかも、九0年九月にはこのチョ−ト自身が『エージェント・オヴ・インルエンス』たちのリストを全公開するというのである。
日本流にいえば非国民売国奴のリストであり、こんな代物が影響力安』持てば、それこそ第二のマッカ−シズムだ。
まず、槍玉にあげられた著名人たちを訪ねた。
ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際間題研究大学院学長のジョージ・R・パッカードは、かつてライシャワー大使の補佐官をつとめた知日派で、ジュディスのレポートでは「包括貿易法案に批判的な研究報告を出した」と告発されているのだが、「悪しきジャーナリズムの典型です。
私たちはカナダ、イギリス、サウジアラビアからも資金援助を受けている。
日本のケ−スだけが批判されているのです。
この大学院では自由貿易こそ望ましいという立場をとっていますから、こうした基本的立場の影響を受けた報告がでるのは当然です。
それにジュディスの記事は、日本の友人と、アボロジストのように日本のために弁じる人々との区別をしていないのではないですか」と憤慨を抑えながら語り、「どういった会議をするか、どんな授業のプログラムを組むかは、どこから資金援助を受けているかに関係なく、当方で決める」と繰り返し強調した。
パッカードの大学院の真向かいにあるブルツキングス研究所は、「日本の貿易障壁が完全に撤廃されてもアメリカの貿易赤字はさほど減らない」と報告したと指弾されているのだが、上級研究員のロパ−ト・ローレンスは「私の友人の研究所も以前パット・チョ−トに、日本から資金援助を受けていると書かれたことがあるのですが、彼の研究所はチョ−トの会社RWからもお金を貰っていて、じつはこちらのほうが多いのです」と苦笑を交えて語っている。
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